石油由来の葉酸を使っている葉酸サプリでも大丈夫なのか

葉酸サプリに配合されている葉酸には人の手で化学合成されたものと天然由来のものがあります。人工着色料などの食品添加物のように石油から作られたものを摂取していると体に悪いのではないかと考える人もいるでしょう。

石油由来の葉酸を使っている葉酸サプリは避けた方が良いのでしょうか。どんな性質を持っているのかを理解して正しい判断を下せるようになりましょう。

石油由来は害悪という考え方を見直そう

まず大前提として石油由来のものは害悪だという考え方を払拭することが大切です。化学物質は体に悪いという印象を持っている人は大勢います。確かに食品添加物として使用されている人工着色料や人工香料、防腐剤や酸化防止剤などには化学的に石油から合成された化学物質が多いのは確かです。

また、医薬品として合成されたものでも薬害を引き起こしたことが何度もあります。あるいはダイオキシンなどのように人だけでなく環境に対して大きな悪影響を及ぼしているものも少なくありません。このようなものは害悪だから手を出さない方が良いと考えてしまうのももっともなことですが、あくまで悪い面しか見ていないので注意しましょう。

葉酸サプリに使われている葉酸も主に石油由来の原料から作られています。使用されている原料の一部は微生物を使った発酵によって作られていますが、基本的には石油からできているのは確かです。ただ、人工着色料や防腐剤などとは異なり、天然に存在しているのと全く同じ物質を石油から作っています。

天然に存在しないものを作って使用しているケースとは違うので、合成された葉酸は天然由来のものと基本的には同じです。そのため、食品から葉酸を摂取しても、石油由来の葉酸を使っている葉酸サプリを飲んでも同じように葉酸を体内に供給できます。

合成品だからといってマイナス面があるわけではないのです。

葉酸はポリグルタミン酸型葉酸とモノグルタミン酸型葉酸がある

石油由来の葉酸と天然由来の葉酸は基本的には同じでも全く同一ではないのも確かです。葉酸の化学構造を見ると、末端部分にグルタミン酸と呼ばれるアミノ酸由来の構造があります。化学合成された葉酸の場合にはこのグルタミン酸が一つだけ付いていますが、天然由来の場合には一つとは限らないのです。

一つだけのものがモノグルタミン酸型葉酸、複数のグルタミン酸が付いているのがポリグルタミン酸型葉酸と呼ばれています。天然由来のものにもモノグルタミン酸型の葉酸が含まれていますが、比率としては少ない場合が多いのが特徴です。

それでは天然由来のポリグルタミン酸型葉酸の方が良いのだろうと早合点してしまう人もいますが、実は葉酸を摂取する目的ならモノグルタミン酸型葉酸の方が良いという知見があります。ポリグルタミン酸型葉酸は吸収性が悪く、グルタミン酸の数が多いほど吸収率が大きく低下します。グルタミン酸が一つだけしか付いていないモノグルタミン酸型は吸収性が高いのです。そのため、摂取した葉酸を無駄にすることなく体内に取り込めます。葉酸サプリを使うときにはモノグルタミン酸型葉酸で摂取した方がコストパフォーマンスが良いと考えられるでしょう

摂取量や効果についても考えてみよう

モノグルタミン酸型葉酸を選ぶメリットは他にもあります。厚生労働省が発表している栄養所要量でもモノグルタミン酸型葉酸でどの程度の摂取が必要かを明記しています。葉酸には摂取量の目安の上限もあるので、うまくその枠内に入るように摂取することが重要です。

ところが、天然由来のポリグルタミン酸型葉酸の場合には、どの程度が体内に吸収されたかがよくわかりません。モノグルタミン酸型葉酸にしておけば上手に量を調節して摂取を続けられるでしょう。また、胎児の先天的な異常が起こってしまうリスクを低減させるために妊娠中に葉酸を摂取する人もいます。

これは臨床的に行われた研究の結果として葉酸を十分に摂取すると異常が起こってしまうリスクが下がることがわかったからです。この研究も含め、葉酸の効果について研究している臨床試験などでは通常はモノグルタミン酸型葉酸を用いています。

葉酸がどれだけ体内に入れば効果が認められるのかを判断しやすいからです。目的によって葉酸の摂取量もどの程度にしたら良いかは異なります。その量を正しく把握するためにもモノグルタミン酸型を使うメリットがあるのです。

天然にこだわりたいなら発酵由来の葉酸もある

それでもやはり石油由来のものには抵抗があるという人もいるでしょう。それがストレスになってしまっては葉酸サプリを摂取する意味が半減してしまうかもしれません。体調管理のために葉酸を摂取しようという場合には、ストレスが原因で別の角度から体調が悪くなってしまう可能性があるからです。

天然由来の葉酸にこだわりつつ、ポリグルタミン酸型ではなくてモノグルタミン酸型で葉酸を摂取したいと考えたらどうしたら良いのでしょうか。実は発酵法によって生産されている葉酸もあるので検討してみましょう。発酵法は化学合成ではなく、微生物の力を使って物質を生産する方法です。

ブドウ糖などのエネルギー源を微生物に与えて培養することにより、その微生物が特定の物質を作り出してくれます。この技術によってモノグルタミン酸型葉酸を生産する技術も整っているのが現状です。葉酸サプリの中にも発酵由来の葉酸を使っているものも登場してきました。

天然由来のモノグルタミン酸型葉酸も選べるのです。化学合成された葉酸を使っているサプリに比べると値段は少し高めですが、それでストレスなくモノグルタミン酸型葉酸を摂取できるなら良いと前向きに考えましょう。

(葉酸サプリは偏頭痛にもいいらしいって本当?)

持続可能な社会を目指すことも考えよう

石油由来の葉酸を使っているサプリにもマイナス面はあります。やはり石油は枯渇する恐れがある再生不可能な原料です。石油社会の現代を大きく変化させ、石油に依存しない社会を築き上げなければならないという考え方も広まりました。

持続可能な社会を目指すためには、身近なところから石油への依存を減らしていくのも大切なことです。その一つとして石油に由来しない葉酸を使っている葉酸サプリを使うのも良い考え方でしょう。モノグルタミン酸型葉酸を摂取するなら発酵由来の成分を使っているサプリを選べば問題ありません。

発酵法による生産は持続可能な社会をもたらすために重要なものとして位置づけられているので、積極的に発酵由来の葉酸を活用しましょう。